自家製梅酒は年代ものであるほど美味しいのでしょうか?
10年以上前に作った自家製梅酒を久しぶりに飲みました。我が家は不定期ですが自家製梅酒を作っています。久しぶりに過去に仕込んだ梅酒はどんな味になっているか試飲してみよう!ということになりました。
過去に漬けた梅酒は4種類あります。一番古いもので13年もの。それそれの年代や仕込み方法で違った味がするはずです。さあ、試飲をしてみましょう。
エントリーした梅酒
①13年もの(2007年製造)
◆梅(生産地不明)1kg
◆砂糖 1kg
◆ブランデー 1.8L
◆梅は2年で取り出し
②12年もの(2008年製造)
◆梅(佐賀県産)1kg
◆砂糖 1.5kg
◆ブランデー 1.8L
◆梅は1年で取り出し
③11年もの(2009年製造)
◆梅(和歌山県産)1kg
◆砂糖 2kg
◆ブランデー 1.8L
◆梅は3か月半で取り出し
④3年もの(2017年製造)
◆梅(和歌山県産)1kg
◆砂糖 1.5kg
◆ブランデー 1.8L
◆梅は取り出していない
試飲評価
①13年もの(2007年製造)
香りはブランデー臭が強かった。味はコクと深みがあり、熟成された味ではあるが雑味が感じられた。
②12年もの(2008年製造)
香りはブランデー臭が弱く、まろやかな香り。味もまろやかで、梅の風味がしっかり感じられ甘みとのバランスが良い。市販の梅酒を甘くした感じで、お酒の弱い方でも飲みやすい味になっている。
③11年もの(2009年製造)
梅の香りがしっかり感じられる。まろやかさの後からフルーティーさがしっかり感じられる味。果実感が強く、THE梅酒!
④3年もの(2017年製造)
香りは梅の種のような匂いが強く、臭みを感じる。味は酸味が強く、すっぱさの中に雑味と微かな梅の味が感じられる。
結果発表
1位 ③11年もの(2009年製)
なんと言ってもフルーティーな梅の味が楽しめます。2Kgの氷砂糖の甘さは想像を越える甘さでした。甘いもの好きな私は、飲んだことのない甘さに感激!一方、甘いものが苦手な家族には耐え難い甘さの様でした。その家族も、甘さを抜けばこの梅酒が一番美味しいと評価していました。
2位 ②12年もの(2008年製)
梅の風味と甘さのバランスがとても良いです。迷いましたが、1位の梅の香りには負けますね。
3位 ①13年もの(2007年製)
熟成されたコクと深みがありますが、雑味を感じるのが残念な点です。もう少し梅を早く取り出していたら雑味が少なかったかもしれないです。
4位 ④3年もの(2017年製)
種の渋い臭い、味も酸味と雑味が強く梅の香りも風味も弱く残念な味でした。梅を入れっぱなしにしていたことが原因でしょう。とりあえず梅を取り出し、もうしばらく寝かせてコクや深みが出てくるのに期待したいと思います。
味を良くするポイント
梅を取り出すタイミング
ズバリ、「梅を取り出すタイミング」です。
同じように作っていたはずの梅酒がこんなに味に違いがあるなんて思いもしませんでした。氷砂糖の量、梅の取り出すタイミング、その年の梅の味など少しの違いで大きく変わってきますが、美味しさのポイントは何よりも「梅を取り除くタイミング」です。2年以上と長期に入れていると梅の種の雑味がお酒に浸み込んでしまいます。梅を取り出す一番良いタイミングは3か月です。
砂糖の量
その他には熟成度もありますが、それよりもお好みの糖度、つまり「砂糖の量」も重要なポイントです。自家製梅酒を手間暇かけて作る理由こそ「自分好みの梅酒を作りたい」からであって、「自分好みの梅酒」は糖度によって決まるからです。
梅の種類
今回はご紹介しませんでしたが、以前に梅産地飲み比べをしたことがあります。同じ作成方法、熟成度であったにも関わらず、「紀州産の梅」が格段に美味しいという結果となりました。自家製梅酒を仕込む際は迷わず「紀州梅」をお選びください。
熟成度
最後に熟成度だと思います。長年熟成されるとより深みが増します。10年以上保管していても、カビなど生えることもなく長期保存が可能です。個人的な意見ですが5年~7年がバランスが取れていて一番美味しいと感じます。もちろん10年以上も深みがあり、食後のデザート梅酒としていただくのは熟成された梅酒が一番マッチングします。いつ、どのような料理に合わせて飲むか、によって熟成度合いを決めてもよいですね。